2008-01-01から1年間の記事一覧

パンと蜜をめしあがれ

つぐみが枝の先で跳ね、桜の花びらが雨みたいに降り注ぐ。髪にまで落ちてきて、かぶりを振るう。薄べに色と桃色の紙吹雪。かばんの中にも入り込む。これからこんなふうに図書館脇の光景を記録していく日々が続いていくんだろうか。この図書館はね、壁や床が…

紅日

図書館で青山七恵『ひとり日和』を借りる。結局、恩田陸はやめた。状況が今の私と似ていて(コンパニオンはやっていない)、うーって唸ることが多い。「あれほど歳をとってしまったら、もう大雑把な感情しか持っていないのだろうなあ」なんてとことか。(あとね…

くるりずむ

執着するときは規則正しいリズムを刻むのに、煙草も香水も吸わなくなったり、つけなくなったりするとその存在を忘れる。私にとって嗜好品はその程度のものでしかないんだろうな。でも今日は春の陽気につられ、久しぶりにチェリーブロッサムをつけてみる。甘…

花冷え

恩田陸の『まひるの月をおいかけて』遅々として進まない。なぜ?たまにしゅーっと加速が増すんだけれど、再びペースが乱れスロウになる。このまま最後まで読み続けてもよいものか。高校のころ通いつめていた図書館で勉強。飽きたら本を読んだり、安吾の碑の…

花散里

最終日、@ネットカフェより。 前日よりも遅く目覚め、哲学の道〜南禅寺。さくらさくらさくら…見渡しても桜ばかりですごいな。一生分の桜を見おさめたみたいで、おなかががいっぱいになる。こう言ってもまた来年見たくなるのだろうけれど。そのまま平安神宮…

彦乃・たまき・お葉

途中経過。(携帯電話) 8:50高松発、岡山へ。後楽園を散策した後、竹久夢二郷土美術館。原画は割りとくすんだ色で、いかにプリントされたものに目がなれているかわかる。感想やメモを簡単に手帳にかきつける。今まで一度も観たことのない原画や初版本を目…

玉藻よし

雨。本を読み尽してしまったので、キオスクにて『四畳半神話大系』を買う。高松行きの電車。雨で薄くけぶる景色、気温が上がると雨は蒸発して空に昇ってゆく。14:32高松に着くも雨のため、直島行きは断念。安藤建築観たかったけれど、また次に回すこと…

春の地殻

覚え書き・途中経過。(携帯電話) 瀬戸内海を見ながら、『夕映え少女』と『坊っちゃん』を読む。『夕映え〜』は四国の話のつもりで認識してたけど、再読すると違うみたい。9:50丸亀市で自転車を借りて散策。讃岐うどん(かまたま小)を食べた後、桜が満開の…

花宴

途中経過。(携帯電話) 今日は岡山泊まり。富山石川福井滋賀京都大阪兵庫岡山、一日で鈍行でこれほど移動できるのか。きままなスロウライダー。本に飽きたら右手に春の穏やかな日本海。ちょうど花の良い時期で、車窓からは黄色や紅色や紫。鉄道マニアの人達と…

むすめごころ

明日から10日まで旅に出る。青春18切符を駆使し、明日は金沢・大阪・京都を経由して岡山まで。明後日・明々後日は四国観光で、最終日は京都観光。桜がいい塩梅で咲き乱れていることだろう。旅に持っていった本を完読できたためしがないのだけれど、『夕…

来客簿

『乙女の東京』甲斐さんの本を読むと、上等でなくてもワンピースを着て出かけたくなるような、そんな気持ちになる。女(の子←もう駄目だっていうのは重々承知だよ)にうまれてよかったなと。燦々と光が降り注いだり、ぎゅんぎゅんビルが立ち並ぶ風景よりも、ち…

ワールドエンド

アンテナめぐっていると、そういや昨日から新年度開始してることに気づき、みんなが気持ち新たに働いているときに、のんびりできるって!・・八時起床って!なんだかちょっと後ろめたいよ。この気楽さに浸っていると、だめになるな。働かざるもの食うべから…

四月の風

いまだに生徒からメールが来て、その度に涙腺が緩む。自分が思っているより、思われていたことが素直にこの上なく嬉しい。例えその場限りの言葉であっても「この学校は糞だけど、マジで先生は最高だったよ!」なんて言われると、涙が溢れる。さよならをして…

春を知る

なんとか引越しを無事終了させ、実家に戻ってきたよ。なぜか弟の彼女も手伝いにきてくれ、あわあわする。(すっぴんで、髪もぼさぼさ)そして明日はほんっとうに最後、学校に行く。昨日の昼過ぎに母親が電車でやってきて、もろもろの雑事・掃除を手伝ってくれ…

ありがとうじゃ足りないんだ

ここで日記つけはじめたのは21歳だったのに、今日25歳になった。そして、三年間住み続けたこの場所を離れる。働いてからのこの三年間は本当に不思議で白昼夢みたいだった。あっという間で、でも振り返れば中身はすっごくすっごく濃い三年間。有り得ない…

やわらか

私の記憶の中で、父親に甘えたという思い出がない。何かを頼むと露骨に嫌な顔をされるので、関わり合うことすら避ける関係だった。例えば雨の日、駅に行かなければならないとき、私は父に車を出してくれと頼むことができない。嫌な顔をされる位なら、傘をさ…

いつか、また

何人かの生徒がメールをくれて、そのありがとうに足りないくらい私もありがとうを返す。本当に何もできなかったのに。疲れた顔して、おざなりにしか対応できなかったのに。そんなんばっか胸をよぎる。私はちゃんと愛せていましたか?正直、最近教壇に立つこと…

別離

終業式、終了。二年間受け持った生徒もいて、何人か別れに涙を流してくれた。何で辞めてしまうの、何で最後まで見てくれないの、先生が良かったよ。 そんな言葉をかけられて、その涙を見ながら、申し訳なさと後悔でいっぱいだった。自分の下した決断にではな…

蝶々結び、リボン

たまに人様の日記にスターをつけさせてもらっていて、それがずっとなにかに似てるなあと思ってたら、あれだ本の気に入ったページの隅をちょんと折る行為に似てるんだ。『ペネロピ』読んでて気付く。小心者だからかなり勇気がいるのだけれど…大学を無事に卒業…

紺×白ボーダー

AERAで中川翔子が人生は三万日しかないんだから、一日たりとも無駄にできない。なんてことを言ってて、自分の生きてきた日数を計算してみたら、9100日を越えていた。もうこんなに使っていたよ。馬鹿みたいなことにしか投資できてなかった気がするが。無…

サンキューマイガール

春はレモンイエローだな。菜の花の色とたんぽぽの色。水色の絵の具をびゅうっとはじき出したような、そんな空にはレモンイエローがよく映える。かごに入れたサンドイッチ、川原で広げる。きまぐれランチ。群青色の夜を切り裂く飛行機の轟音、間近に聞こえて…

春分

その年齢でしておくべきこと、というのは大体決まっている。いつも年相応の、ふさわしい生き方ができない。足りないか、オーバーしてるかどっちかで。自分を冷静に見据えるもう一人の私がいて、彼女に見張られるとひるんでしまって自分をかなぐり棄てること…

さくらさくら

はるだなあ。のどかでうららかであたたかくて、はるだなあ。久しぶりに電車に乗る。はるの電車。ひなたがあたたかくて、こころなしか乗客の顔もほころんで見える。ホームの桜もつぼみをつけている。また一年が巡り来ることは至極当たり前なことなのに、今日…

春よ、恋。

何かを始める前、手をブラックジャック先生のように構えるのが好きです。精神が研ぎ澄まされそうで。大抵、怖いと言われるが。 春らしい陽気で、もう雪は降らないであろうとたかをくくっているのだけれど、大丈夫だよね?大丈夫だよね?何度も裏切られている…

月寒

私がこっそり打ち明けたことを何故第三者に伝達されなければならないのかについて。私が喋った事が、相手のフィルターにかけられ、削られ、その分余計な事を付加され、全く別物にすりかわる。これだから人に心の手の内を明かすのは嫌いだよ。私が思うこと、…

春光

ホワイトデイなので、女の子達にバレンタインデイのお返しをする。たくさんお返しをすると、自分が男前になったみたいな錯覚に陥る。一度でいいからモテモテの男子になって、女の子から手紙をもらいたい。最近一度ならず二度も高校生に間違えられた。いや、…

珊瑚石

青山テルマの曲が流れると、動きが止まる。「あなたのこと私今でも想い続けているよ」いい曲だと思う。(この人のラジオはやたらうるさいから嫌いだったけど)今日は一般入試。いよいよ終わりに近付いてきた。授業もあと一回で、来週の追試が終われば本当に…

煙渚

朝、通勤前の車のフロントガラスが凍らなくなり、確実に春来てるなあ。匂いも空気も春のものだ。 同じゼミだった先輩が結婚をし、名字が変わり、娘が産まれたという。大学時代から分かってたけど、なんとまっとうな生き方をしている人だろうか。それにひきか…

風立ちぬ

大学時代の友人と2時間くらい長電話。今年で院を卒業し、今年から軽井沢で高校教師だそう。軽井沢、堀辰雄だねとか、卒業旅行で行った広島の旅館がありえなかった話とか、諸々の私のどん詰まりの具合とか、喋れてすっきりデトックス。なのだが、悩みは結局…

啓蟄

また呼び覚ましてしまった。気付いたことにがっかりしてしまう。また長くて苦しくて、途方もない延長戦が始まるんだから。この先に未来なんてないのに。蹴りがついたと思ったら、また同じ事の繰り返し。そのたったひとつの理由で、またあの街に戻ろうとして…