日々の雑事にかまけて、私が照準を合わせるべきことを見失ってしまいそうになる。それにこの道選んだのならふらふらしてちゃいけないんだぞ、とか思うのに。やっぱりどこかで普通の女の子みたいにふわふわした恋をしたい、と思ってしまう。ばかだな。でも私の手首からはランバンの香水の匂いがして、ボディークリームはユリの香りで、この二つがうまく溶けあうと自分でもクラッと眩暈がしそうになるくらい、よき香りなのだ。

一年前には全く想像もつかなかった場所に居て、今も息をしてこの場でどうにか生き続けている。新しい人達と出会い、触発され、影響を受け、時には怒り、時には涙を流し、煩悶とし、今もこうして鬱屈を抱えている。それでいいのだと、大見得を切って笑い飛ばすことなんて出来ないけれど、どうしようもない瞬間には、きっとそれでいいのだと、どこかで思っているのかもしれない。自分の運命や未来や、この夜が明けたらやってくる明日のことさえ覚束ないけれど、今も去年と同じように悩んで、この場で息をしている、きっとそれだけでいいのかもしれない。もしかしたら回転を止めたときの負荷の重さに恐れをなして、惰性で回り続けているだけなのかもしれないし。くるくるくるくる。