初雪観測。ひょおひょおと舞い散っては風に巻き上げられ、消えてゆく。猥雑さや喧騒や人間の醜悪な部分を掻き消す、ひたすら静かで厳しい冬の到来。物事を原寸大で見据えることができる点では冬は嫌いじゃない。あと、この街で過ごす最後の冬。
ミーハーな感じがするけれど、フェルメールが好きだ。小村雪岱にしかり、ほんとに好きなものは誰にも教えたくないし、知られたくないなと思う。見ないで見ないで、好きにならないで、私だけの特別であってほしいと馬鹿みたいに願う。美しさを見い出したのは私だけであってほしい、なんて。絵画に向き合うことは恋愛に似ている。昨日の日曜美術館壇ふみ有吉玉青のコメントが良かった。(壇ふみさんだったかな)「牛乳を注ぐ女」を「焼き締められた陶器のような絵画」と評したのは上手いと思う。