夏と秋と行きかふ空の通ひ路はかたへすずしき風やふくらん(古今集 夏下168)
島本理生の「ナラタージュ」が面白くて一気に読んでしまったという生徒がいたので、「ほうほう私も読んでみるか」と図書館で借りてきた。読み進めてすぐにわかった、勧めてくれたこの生徒は今、あの先生のことが好きなんだと。彼女のその先生に対する態度と本の主人公を重ねて読んでしまい、何だか秘密の日記をこっそり覗いているようで、気恥ずかしい。
秋の月夜の晩、虫がりりりり鳴いてて、そんな中で古今集を読むのは最高の贅沢だと思う。