ちょうど一年前は母校の教壇に立って「羅生門」教えてた。それが一年経ってまた同じように教壇に立って教えられることの不思議さとかめぐり合わせとか運とか縁とか考えてる。日々の雑務におわれ目の前のことをこなしているだけの時ってあるんだけど、あの時カーテンを巻き上げ教室を吹きぬける風が心地よくて「ここにいたいな」と思った気持ちだけは忘れない。

この時期は必ずのどを痛めて、鼻声ハスキーボイスになるんだけど、自分の鼻声って結構好きだ。生徒たちは「せんせい早く風邪治してね」と心配してくれる。早退した日直の子の代わりに頼まなくても黒板を消してくれる。そういう優しさとか気遣いに心がうずく。比喩表現教えてて「虫のような顔」って例文に思わず吹き出してしまった。ね、ちゃんとうれしいこともあるでしょ。生徒たちが可愛いからがんばれる。そんな気がする。