帽子をかぶって、ジョウロを持って畑に行く。西日がまぶしい。日光性皮膚炎だから、首筋の日に焼けたところが赤く腫れる。かきむしるとなんだかそれはまるでキスマークをつけられたみたいになるから困る。畑の草をむしったり、元気のない苗に丁寧に水をやる瞬間がいとおしい。小さな虫や小さな花を眺めると心がほわんとする。日々の出来事なんかどこか遠くにいってしまったかのような。私だけのじかん。

明日はホットケーキを焼こう。布団を干そう。読みたかった本を読もう。クラムボンが流れる車で買い物に行こう。美術館に行こう。明り取りの窓の大きな図書館に行こう。充電しなくちゃな。