泉鏡花/春昼

もうくらくらする。「柱板敷へひらひらと大きくさす月の影、海の果てには入日の雲が残って、ちらちら真紅に、黄昏過ぎの渾沌とした、水も山も唯一面の大地の中に、その軒端洩る夕日の影と、消え残る夕焼けの雲の片と、紅蓮白蓮の咲き乱れたような眺望をなさったそうな。」ってもうのぼせてしまいますよー。