日傘

スーツカンパニーでスーツを新調。水色とねずみ色の中間で、麻のさらっとした生地。スーツなんて買うつもりなかったでしょ。と自分を諌めるも、ここ最近飲み会も食事会もしてないし、節約してるからいいんだ。なんて自分を納得させる。


高3の夏、おろしたてのサンダルを履いて、自転車で図書館に通いつめてた。意志が弱くて家では勉強できないから、周りの勉強している空気に触発されようとして。でもその効果はあまりなく、みんなもくもくと問題集を解いている中、自分一人だけ佐藤春夫の詩集に没頭して一日すごしたなんてこともしょっちゅうで。逆に誘惑の多い場所だった。でも結局そこに今のわたしの原点みたいなもんがあるんじゃないかなと思ったりもしてて。今日もその図書館で同じように勉強をする。目的は違うけれど、学習室の大きな窓から見える景色はあの頃と変わらない。
あの夏の暑さと空気と日の落ちてゆく瞬間はまだ私の中に残ってる。

きょうも一日暑そうだよ。さーべんきょべんきょ。