夢のまた夢

芭蕉の次は和泉式部!と息まく。好きな歌人の研究は垂涎もの。彼女の並外れた言語感覚とセンスに圧倒される。どうしよもない想いが溢れ、それにつられて言葉が必死で追い付くといったような歌は本当に珠玉の逸品。硝子細工では決してない、血を吐くように絞り出された歌と彼女の人生をもう一度辿る。たまんない。駆け引きの場面を見るとあまり恋愛上手な人ではなさそうだけれど、「ならはぬつれづれ(した事のない異性抜きの生活)」「すきごとする人はあまたあれど(言い寄ってくる男はたくさんいるけれど)」ってやっぱりすごいよ、おみそれします。

幼稚園から高校まで一緒のあの子が来春結婚するらしい。彼女も相手も教員で、何とも堅実で手堅い彼女らしいな。それにしても次々嫁にゆくなあ。私だけずっと声の掛らないかくれんぼとか、ずっと仕上がらない図画の時間みたいだ。