生きてきて一番好きになった人の誕生日。アドレスが換えられてたらショックだなあなんて恐怖しながらも、おめでとうのメールを送る。こだわりもなく返してくれたのはあの人の人柄のなせる業。すがりたかったのは私の甘く脆い期待、と不安定な今を知ってほしいというずる賢さ。もう一生会うこともないだろうけど、常に心の隅っこにあるのだ。次に好きな人ができても消えることも消すこともできない。そんな人がいたっていい。色恋沙汰とは無縁の日々の仄かな灯り。