高校時代の友達からメールが届く。ハルジョオンの揺れるプール脇のフェンス、弓なりに張り詰めた弦。桃のネクターウォーター。矢道でちらちら燃やした線香花火。的を射抜くしなやかな矢。一気に甦った。私が教員をしていることに心底驚いていた。そりゃそうだろうなー。授業中はうわの空でよく道場でさぼっていたもん。それ以上に人にものを教えられる度胸と技量がないと思っているだろうし。彼の前では私はあのころのままのぼんやりとした高校生なのだ。