cafeparadise2004-12-09

あーきたなと思った。ボーダーのマフラーを巻いている首筋にぞくっと入り込んでくる風。肉の柔らかい部分をひんやりと撫でる空気。自転車を漕いでる途中、遭遇した。ここのところ珍しく暖かい夜が続いていて、このまま逃げ切れるかと内心ほくそえんでいたのだけれど、やっぱり追いつかれてしまった。でも、ここでの最後の冬を肌に染み付けておくのも悪くない。雪化粧した北アルプスの壮観な姿も目に焼き付けておくのも悪くない。オリオン座とカシオペヤ座しかわからない空はうんと澄んでいて、数えきれないほどの星がちらちら燃えていた。

どうしようもない位に涙腺が弱くて困る。涙には浄化作用があるから、わあわあと声をあげて泣いたらすっきりするかもしれない。悪いことが続いたあとにはきっといいことがあるよっていう下手な慰めも今なら素直に受け入れられそうな気がする。こんなのに胸を貸してくれる人がいたらどれだけ救われるだろうか。