ふと思った。
会いたい人がいて、住みたい場所があって、なぜそれを抑圧するのだろう。と。実際それを実現できる立場にいるのに、纏わりついて離れない、そんなシガラミなんてなんにもないのに。(百歩譲ってあの娘の立場を考えてみるけど、やっぱり私にはそんな義務も術も道理もないはずだ)
自由でしょ。それを選択するのは私の自由でしょ。あの街に行くという選択肢は。普通忘れるし、消えるし、冷めるものなのに、何故こうもこれほどまでも思ってしまうんだろう。自分にとって特別な人が、相手にとってもそうであるとは限らない。それは知っているし、既に体現済みだ。でも、諦めること、忘れることができないなら、いっそどんなに辛くてもいいから近くにいたいとか思ってしまうんだ。
告知・我慢・諦観・代替・抑制・別離・昇華 この五年の間にありとあらゆる手段を行使してきたけれど、どれもこれも上手くいかない。だったら感情の解放をする。
馬鹿な女の愚劣な行為。と、わかっていてやるのだから、少しは救われる。私は途方もない痛みと引き換えにしても、あの人の存在を認識できる場所にいられる幸せを選ぶ。

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