乳青色のお湯に浸かりながらぼんやりと窓を眺める。二筋の水滴が競い合うかのようにガラスを滑り落ちる。止まったり迷ったり思案してて、まるで意識を持った小さな虫みたいだ。
陶芸教室に通い始めた。半年越しの願いをようやく叶える。黙々と手を動かしてふと時計を見上げると、時の経つのが早いことに驚く。いびつで無骨な湯呑み。焼き上がりと色付けが楽しみです。
本の中でじわんと響いたり、はっと水をかけられるようなフレーズに出会ったとき、頭をもたげ、何度も何度も反芻させる。私の中に染みつくように。
リリー・フランキー「東京タワー」読了。ぶわわーっと涙が溢れて止まらない。鼻水が詰まって痛い。目はぱんぱんに腫れ上がるし、明日の朝は泣きを見るぞ。死をテーマにした母子ものは絶対に泣くんだよー。方言がまた泣かせる。「心配せんでよか」「淋しいでたまらんよ」。同じことの繰り返しのような毎日でも一分一秒確実に年をとっていて、どの人にも「その日」は確実に訪れるんだ。避けることはできない。何をしても後悔は呼び起こされるんだろうけど、毎日大切に生きたい。愛する人を大切にしたい。涙が瞼にまだ熱く残ってて、胸が苦しい。